人気ハンドメイド作家になるために広告宣伝費をかけるべき?
有名雑誌の高額な掲載料
先日、Instagram経由で有名雑誌のリン○ルの企画担当の会社の方から掲載のお誘いがあったのですが、お断りすることにしました。
なぜかというと、掲載料が高すぎるためです。企画書を確認してみたところ、1/4ページで35万円とか見開きで200万円とか、そんなことが書いてありました。
ハンドメイド作家として活動していると、こういうことは結構あるものです。今までにも、『海外のギャラリーに出展しませんか?』とか『有名なアート展に出展しませんか?』とか『アート・ファッション雑誌に掲載しませんか?』などのお誘いを頂いたことがありました。
そしてその多くに当てはまる共通点が、ネームバリューがあって、高額な料金がかかること。この2つでした。
皆さんはこんなお誘いを頂いたとき、どうしていますか?
私の場合、はじめのうちは嬉しくてちょっと浮かれていたこともありましたが、だんだんと見る目が変わってきました。
ちょっと待てよ、これってどうなの?と思い始めたのです。
広告宣伝費の妥当な金額とは?
ネームバリューのある有名どころに自分のブランドを取り上げてもらえれば、もちろん信用アップにもつながりますし、多くの人に自分のブランドを知ってもらえるチャンスでもあります。
でも、高額なお金を支払ってまでやることなのか?と疑問です。
広告宣伝費にかける妥当な金額ってどのくらいなのでしょう?
作家としての規模感によるところが大きいかもしれませんが、私の場合は基本的に、広告宣伝費はゼロ円でも良いと考えています。
実際に私は現在ハンドメイド作家として一人暮らしには十分な程度の収入を得て生活していますが、今まで広告宣伝にお金を使ったことがほぼありません。
なぜかというと、いくつかの理由があります。
有名雑誌の高額な費用のかかる掲載を断る理由
大量生産で年収一千万円ほどの作家さん、とかであれば、また別の話。金銭的にかなり余裕があるのなら、話題づくりのためにどんどん試してもよいかもしれません。
ただ、一般的なハンドメイド作家さんの規模感で一度に何万円もの広告宣伝費…というのは結構無理してますよね。私にとってもそうです。
では具体的に、私が有名雑誌等の高額な費用のかかるお誘いを断ってきた理由が挙げてみます。
費用に見合うだけの宣伝効果が得られない
実際に高額な料金を支払って海外のギャラリー展示会に出したり、有名どころの展示会に出展した人が身近にいるのですが、それを機に売れた人は見たことがないということが、大きな理由です。
大きな反響があるならよいのですが、掲載された後もギャラリーに出展した後も特に際立ったこともなく、そのうちブランド自体が資金不足で先細りしていくパターンを見てきました。
つまり、ネームバリューのある媒体で宣伝したからといって、費用を回収できるとは限らないということです。
宣伝費に見合うだけの効果が得られるかどうかは、やってみなければわからないですし、さらに一つ二つやるだけではわからないことなので、一種の賭けみたいなものだと思います。
毎年のようにまとまった宣伝費を確保できるなら良いのですが、個人で活動している作家が継続的にそのようなことをしていると、息が長く続きません。作品がちょうど時代に合っていて、話題性があり、媒体との相性が良いなどの要因が重なったときに宣伝効果が高い場合もあるかもしれませんが。
でも、それなりに魅力のあるブランドであれば高額な費用をかけて宣伝しなくても、自然と良いお誘いを頂けます。
無料で掲載してもらえる場合もある
掲載に高額な費用がかかる媒体がある一方で、掲載料など一円も徴収されない媒体もあります。
ネームバリューの点では劣る場合が多いかもしれませんが、費用がかかるより、かからないほうが良いですよね。
≪ここで少し論点がずれますが、、≫
高額な費用を請求されるのは、自分のブランドを認めてもらっているとか、ぜひ紹介したいという動機ではなくて、単に広告主、お金を徴収できる相手として見られている、ということですよね。
いくら作品を褒めてくれようとも、お金を払わなければ掲載しないということは、そういうことです。 その点も私にとっては気になるところです。
どうせ掲載してもらうなら、ブランドとしての価値を認めてもらった上、無料で掲載してくれるところを選びたいと思います。
新作のために使ったほうが確実
広告宣伝費用に何万円もかけるくらいなら、新作の試作費用に使ったほうが確実で建設的と考えているんですよね。広告宣伝は効果がなければそれで終わってしまいますが、いつもより思い切った試作ができれば作品として形に残ります。試作が失敗に終わったとしても、試作を行った経験は後で活きてくるので無駄がありません。
もちろん、広告宣伝費をかけなくても、ある程度売れているから必要ないということもあります。『ある程度売れていても、広告を打つことでかなり収入が伸びるよ!』と強めのお誘いを頂くこともありますが、そのあたりも一般的なハンドメイド作家の規模感ではどうだろう?と懐疑的に捉えています。
私はこれらの理由から、高額な料金を請求されるお誘いはすべてお断りしているという状況です。
高額な有名雑誌の掲載を活用するのもアリ。
かといって、高額な費用のかかる雑誌掲載やイベント出展がすべて×というわけではありませんし、特に避ける必要もないかと思います。
資金力があるなら、割り切ってネームバリューを味方につけるのも良いでしょう。
ブランドの経歴に加えることでブランドイメージを高める効果も期待できますし、もし制作のモチベーションが劇的に上がるなら、活用する意味は十分にあるかもしれません。
自分の中で挑戦したい理由があるなら、どんどん活用したら良いのです。
有名雑誌やギャラリーから声が掛かるだけでも喜ばしい◎
逆に本当はやってみたいのに資金力がなくて支払えないという方も、それほどガッカリすることはありません。せっかく良いお誘いをいただいたのに残念、、とテンションが下がってしまうようなときは、こんなふうに考えたら良いのではないでしょうか?
お声が掛かるということは、掲載や出展の基準を満たしているということ。一定の基準で認めてもらっているということなので、実はとても喜ばしいことなのです。
『こんな素敵なところからお声掛けしてもらえるなんて♪』と捉えてみましょう。
それに、一件からお誘いがきたということは、実際に連絡がないだけで、きっと他にも色々な媒体やギャラリーの方に目を留めてもらっている可能性が高いのです。
そのうち、また良いご縁がありますよ。
無料でできるハンドメイド作品の宣伝方法
さて、私の場合、広告宣伝費をかけないと言いましたが、ではどうやって宣伝したらよいか?というところが問題です。
高額な方法を選ばなくても、ハンドメイド作家が費用を使わずに宣伝できる方法は、いくつもあります。
SNSや、ハンドメイドサイトなどなど活用すれば、無料で効果的に多くの人に知ってもらうことができます。
ぜひお金のかからない方法で賢く宣伝していきましょう。
SNSがメインになりますが、そういうものがどうしても苦手という方は、イベント出店に力を入れてみても良いでしょう。また、ハンドメイドサイトのピックアップ掲載を狙うのもおすすめです。
ハンドメイドサイトのトップページなどにピックアップ掲載されやすくなる方法
Creemaやminne、iichiなど、各ハンドメイドサイトのトップページやメルマガ、SNSアカウントでは、定期的におすすめの作品が紹介されています。これらのサイトの顧客は、当たり前ですが素敵なハンドメイド作品を求めている方ばかり。さらに、ピックアップページで見た作品を販売ページですぐにチェックすることができるので、雑誌掲載よりも購入される可能性が高いのが大きなメリットです。
ただ、ピックアップ掲載というのは作家側の働きかけで掲載してもらえるものではなく、運営の方の好みで選ばれているようです。
でも、だからと言って諦めるのは早いのです。ピックアップされやすくなる方法があるので、押さえておきましょう。
ピックアップ掲載されやすくなる方法1 ≪画像はシンプルに見やすく≫
ネット販売の基本でもありますが、画像を見やすくシンプルに撮影することを心掛けましょう。
ピックアップされやすいのは、運営の方が気になる作品、その中でも画像がある程度綺麗に撮れている作品です。
背景がごちゃごちゃして作品が見えづらかったり、暗すぎたり、白飛びしていたり、画像を加工しすぎたり、などの難点があると掲載するには不向きとなってしまいます。
ピックアップ掲載されやすくなる方法2 ≪こまめに新作をupする≫
日頃から新作を頻繁に更新するのも有効です。
新作を上げる機会が多ければ、運営の方の目に留まるチャンスも増えるからです。
『あ、この作品素敵だな』という段階から、『以前もこの作家さんの作品素敵だったよな。この作家さんいいな』と思ってもらえるようになれば、ピックアップ掲載のチャンスはぐんと増えます。
ピックアップ掲載されやすくなる方法3 ≪イベントやコンテストに応募参加する≫
ピックアップ掲載してもらうためには、まず作品とブランドの存在を知ってもらうことが大切です。
Creemaやminne、iichiなどのハンドメイドサイトはそれぞれ独自のイベントやコンテストなどを開催しています。
そういった企画にできるだけ多く応募したり参加したりすると、運営の方と直接やりとりをする場面も増え、必然的に目に留まりやすくなるので効果的です。
【まとめ】広告宣伝は無理せず自分にできることから見直そう。
広告宣伝について大切と思うことをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
高額をかけた派手な宣伝は、作家生命の首を絞めてしまいかねませんので、活用される場合は十分注意が必要です。無料でできる宣伝方法は、ここで書いた以外にもたくさんあります。人と話すことが好きな方はイベント出店が向いているかもしれませんし、写真を撮るのが好きな方は作品の撮り方を工夫してみるのもいいかもしれません。いろんな方法を試して、自分に合った方法を見つけてみましょう。
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