ハンドメイド作家に年齢性別は関係ありません。
こんにちは。
ハンドメイド作家として約10年活動している者です。
現在は作家業のみで生計を立てています。
作家になりたい気持ちがあっても、
『年齢的に遅いのでは?』
『男の作家は少ないのでは?』
と気になさる方が時々いらっしゃいます。
そんな方のために、今日は私の周りの具体例を出してお話したいと思います。
ハンドメイドに年齢性別は関係ない
ハンドメイド作家には、老若男女幅広い世代と性別の方がいらっしゃいます。
それは、大規模なハンドメイドイベントなどを見て頂くと一目瞭然。
白髪の老夫婦、学生らしき若手の方、若い男性グループ、お子さん連れのご家族などなど、ブースには多種多様な作家さんがいらっしゃって、それぞれ多種多様な作品を作っていらっしゃいます。
そういう場で感じるのは、どんな方も一人一人の世界観があるのだなぁということ。
確かに、ハンドメイド市場には大まかに分ければいくつかのジャンルがあるのですが、細かく見ていくと、その人の人間臭さが垣間見れたり、その作品に行き着くまでの壮大なストーリーがあったりします。
当たり前のことですが、まったく同じものなんて一つもありません。
年齢性別はもちろん、ベテランも初心者も出身も何も関係なく、みんなでひとつの会場にブースを出し、自分の好きなこと、その人の中にある世界観を、色々な想いを持って発表しているのだなと感じます。
年齢や性別・すべての経験や個性は強みになる
ハンドメイド作家に年齢性別は関係ないと書きましたが、むしろ年齢性別をはじめとするその人の趣味嗜好、性格や考え方などの個性はものづくりをする上で強みになります。
なぜかというと、作品には作者の内側のものが必ず表れてきて、個性的な世界観をつくるからです。
突き詰めていくと、その人生を経験してきたその人にしか作れないものが作れるようになってきます。
そうした作品は、必ず誰かの胸に響きます。上辺だけではない、うまく説明のつかないような愛着、感情を感じてもらえたりします。
つまり正しい姿勢で続けていれば、たくさんでなかったとしても、必ずきちんとご購入いただけます。
長年かけて磨かれた作品だけでなく、その人の個性が作品に解放されていれば、必ず届くべき人に届きます。
そういう意味では、ベテランも初心者も関係ないのだと思います。
趣味や経歴を生かして活動されている男性作家さんの具体例
ハンドメイド作家さんは確かに女性が多めではありますが、男性作家さんもたくさんいらっしゃいます。
今回は、ハンドメイド作家とは異なる分野から作家になられた男性作家さんの例をご紹介したいと思います。
金融機関にお勤めだった男性作家さんの場合
定年退職後、新たなことに取り組みたいと退職の数年前から始めたものづくりの習い事を、退職後に本格的にスタートしたそうです。
もともとアートがお好きだそうで、ひそかに温めていた想いがあったのかもしれません。
金融機関というまったく異なるお仕事から転身し、今は精力的にハンドメイドイベントに出展され、お客様とのやりとりを楽しそうにされています。
長年の社会経験からでしょうか、接客に味があって魅力的。幅広い世代のファンがいらっしゃるようです。
郵便局にお勤めの男性作家さんの場合
本職の郵便局にお勤めされながら、自分の好きなことを追い求めるうちに、自然とハンドメイドイベントなどに出展するようになったそうです。
ひっそりとした独特な世界観のある方で、イベントでは多くの作家さんの中でも目立っていました。
職場の方にも以前から応援してもらっているのだそう。
最近は全国展開のお店にお取り扱い頂くことになったこともあり、本職をモノづくりの方に移行することも念頭において活動されています。
自転車好きの男性作家さんの場合
業界は失念してしまいましたが、ハンドメイド作家とは異なるジャンルの本職をされている、スポーツ自転車が趣味の男性。
自転車好きの方に向けた個性的なアクセサリー小物を制作されていらっしゃいました。
イベント出店されたり、自転車専門店などに作品を置いてもらったり、精力的に活動されていました。
男性には比較的多いと思いますが、ビジネス思考が身についた方で、当初から作品の量産化をはじめ、幅広いビジネス展開を考えていらっしゃいました。
元エンジニアの男性作家さんの場合
元々エンジニアとして働いていた男性。早期退職され、第二の人生として工芸作家になろうと考えたそうです。
習い事として教室に通い、それから作家になり、結構早い段階で生活できるようになったと聞きました。
前職エンジニアとあって緻密な作業が得意なのだとか。
第三の人生には、また別のことをしようと計画しているそうですよ。
そういった自由な精神も、ものづくりに生きているように感じました。
「もう年なんだから」 は間違い【加齢と創造性の関係】
私がこの記事でお伝えしたいのは、『年齢や性別、個性はすべて作品づくりの糧になる』ということです。
どんな人生経験をしてきたか、どんなふうに物事を考えるか、どんな人柄か…によって、その人が作る作品はどんどん変わってきます。作品自体はもちろん、ブランディング、売り方などもまったく変わってきます。
その人が、その時に作るからこそ生まれてきた作品、ブランドたちなのです。
作りたいときがその人にとって最良のタイミング。
老いも若さも、それまでの経験も思考も、すべて知らず知らずのうちに、作品づくりの中に生きてきます。
特に、定年退職した後にスタートした作家さん、お孫さんが何人もいる作家さん方は、その人生経験が作家生活の様々な面で活かされているように見えます。
年を重ねることはものづくりにとって有利に働く
一昔前は、加齢とともに知能が低下する、と考えられていましたが、現在の脳機能に関する研究では、知能は年齢とともに向上することがわかっているそうです。
それだけでなく、経験の蓄積によって60歳を過ぎてからピークを迎える知能もあることが解明されています。
ハーバード大学では、『年齢を重ねた頭脳は、認知制御はゆるくなるが、反面、創造性が高く、常識にとらわれない問題解決を得意とする可能性がある』という研究結果が発表されています。
創造性を試すための「遠隔性連想検査(RAT)」という課題を受けた高齢者たちが、若年層を打ち負かしたという研究結果もあるのだそうです。
つまり、高齢者だからといってものづくりをやらない理由にならないばかりか、高齢者だからこそ創造性をよりいっそう発揮しうるということ。
そしてその創造性は、社会のどこか、誰かに必ず還元されます。
「もう年なんだから」という言葉で作りたい気持ちを抑圧せず、創造性を解放していただけたらと願います。
今だからできるものづくりを
ハンドメイド作家を始めるのに、年齢も性別も障壁にはなりません。
ものづくりは誰でもいつからでも始められ、一人一人の個性、その人、そのときの経験、想い、背景が作品に魅力を加えていきます。
ものづくりの良いところは、何歳になってもずっと続けられるところ。
年齢を重ねるほど人生経験が増し、創造性も向上するのですから、高齢になるほどものづくりが今より自分にしっくり馴染んでいくのかもしれません。
年齢性別やどんな条件にも関係なく、今だからこそできるものづくりをぜひ楽しんでください。
作家としてのライフスタイルを考える。こちらの記事も合わせてどうぞ。
ハンドメイド作家の暮らし方。おばあちゃんになっても作家でいるためにするべきこと。 – ハンドメイド作家の田舎暮らし (monogatari.site)
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