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本業のハンドメイド作家を目指す作家さんへ。【値上げに抵抗を感じる原因と、値上げの極意】

こんにちは!
本業でハンドメイド作家をしている個人事業主です。田舎に移住し、好きな時間に起きて寝て、好きな時間に作品をつくって発送する気ままな生活を送っています。

最近思うのですが、ハンドメイド作家さんのお悩みを聞いていると、値上げに悩む作家さんが多いこと、多いこと。

『値上げだけは避けたい』
『値上げ以外でできることはないですか?』
と、値上げに大きな抵抗があるようです。

この抵抗感を持っている限り、いつまでもブランド成長の足かせになってしまい、本業作家になったとしても苦労し続けることになってしまいます。

シンプルに言ってしまうと、本業作家になるために多くの作家さんがまず決めなければならないことは、『値上げ or 量産』どちらかを選ぶことです。

量産ができない作家さんは、やはり値上げ一択。
それでも『値上げはムリ!』と感じるなら、まず自分のつくる作品の価値を理解することから始めてみましょう。

本業作家になるなら『値上げ or 量産』

趣味から本業作家に移行するとき、あなたなら『値上げ or 量産』どちらを選びますか?

これは作品のタイプによってだいたい決まってきます。

数分で作れるもの、パートさんを雇ったり、外注に出せるもの、工場生産できるものに関しては量産可能です。

量産可能な場合は作品価格を大きく上げなくとも、本業として成立する収入をあげることができるでしょう。

逆に、一つ一つの作品に時間がかかる場合は量産が難しいため、値上げを選ぶのが一般的。

また、『一部の作品だけ量産化 + 一部値上げ』というのも有りです。

例えば、オリジナルイラストをモチーフにした刺繍作家さんの場合、“量産できるイラストグッズ + 刺繍作品” あるいは、“量産できる制作キット + 刺繍作品 ”などというふうに。さらに、教えるお仕事を組み合わせても良いでしょう。

値上げ一択の作家さんのほうが、量産できるタイプの作家さんより圧倒的に多いかもしれません。

ですが、しっかり値上げに踏み切れる作家さんはそれほど多くないのではないでしょうか。

 

値上げが嫌な理由は?

私自身もはじめは値上げが怖くて仕方ありませんでしたから、値上げに悩む気持ちはわかります。

でも、どうして私たちは値上げに対してこれほど悩むのでしょうか。

一つは、『売れなくなったらどうしよう』という不安もあります。
『知り合いも見ているし、何て思われるだろう』という不安もあるかもしれません。
また『お客様からたくさんお金をいただくのは申し訳ない』という思いが自然と湧いてきてしまう方も中にはいらっしゃるでしょう。

私たちは普段から百円ショップや安価でかわいいもの、便利なもの、品質の良いものに慣れているので、どこかでつい比較してしまって『自分の作品は高いのでは』と罪悪感を感じたりします。

とにかくお金の話になるとピリついてしまって、『お金を頂いて申し訳ない』『安いから買って頂けている』というスタンスになりやすいんですよね。
そういう作家さんに限って、作品価格が格安だったりします。

でも、『安いから買って頂ける』という状態は、多くの作家さんにとってあまり望ましい状態とは言えません。
願わくば、『高くてもあなたから買いたい』と思ってもらいたいはず。
また『そういう作家になりたい』のが本音ではないでしょうか?

作品の価値を十分にわかってくれるお客様に届けて、その対価をお客様から喜んで受け取る。
そのために、作家は作品に対して真っ正面から向き合う。

そういうやりとりが作家とお客様との健やかな関係を築いていくのではないでしょうか。

ハンドメイド品=実は高価

さて、ここからは、値上げの大切さについてご説明します。

今のところハンドメイドというと、アートや工芸やデザインなど他の分野と比較すると軽視されがちな気がしますが、ハンドメイド品自体、そもそも高価なものであることを認識しておかなければなりません。

ハンドメイド作家さんの多くは一つ一つに何十分、何時間もかけて手作業で作品を作ります。

一般的には、材料費より何より人件費が一番高いので、手間をかければかけるほど、高価になるのが当たり前。

お店で目にする商品だって、工場で量産されている商品は安価ですが、人の手がかかっている商品にはたいてい別格の値段がついていますよね。

(繊細な手作業なのに安価な商品も時々見かけますが、健全に取引された商品ではない可能性あり。)

良いものを安く販売できるのは、私たちハンドメイド作家ではなく、効率的に生産できる企業さん。 

一つ一つ手作業でモノを生み出すハンドメイド作家の役割と、機械と大勢の従業員によって効率的に商品を生産する企業さんの役割は、根本的に異なります。

 

価格に表れるハンドメイド作家の作品評価とプロ意識

それから、作品価格は作家自身の作品への向き合い方やプロ意識などを表す指標になっている面もあります。

明らかに手間のかかっている作品に対して低価格がついているのを見ると、作家さん自身が抱いているであろう作品への評価の低さを感じることもあります。

作品価格は、お客様にとって作品を評価するための一つの大きな情報源。
低価格であれば、その程度の価値なのだろうと感じてしまう可能性が高いのです。

同じ作品にもかかわらず、10倍の値段がつくと、お客様の評価が180度変わるというケースもしょっちゅう目にします。

価格は、お客様にとってそれほど影響力の強いもの。

価格も作品のうち、とまでは言いませんが、『価格で作品を語っている』部分があるということも理解しておかなければなりません。

素人意識を抜け出す

ちなみに、時々ネット販売の商品説明欄に『素人作品につき』と記載されている作家さんを見かけます。

『素人作品』と記載することによって、どうしても『素人だからこれで許してね』という意図が見えてきます。

作家はこれを書くことによって、クレーム防止の安心感とともに、作品とお客様に対するいい加減さ、良くない意味での緩慢さを作家都合で押し通しているような、そんな状態。

結果、プロ意識の無さが露呈して、お客様からの信頼を得にくくなりますし、双方にとって建設的ではありません。

ハンドメイド作家としてお金を頂いて販売する以上は、『素人』ではない。
という意識を持つことも大切です。

活動年数や技量に関わらず、です。

プロ意識を育むことで、一歩一歩プロに近づきます。

 

値上げの極意

では、どのように値上げをするか?というところが問題です。

ここからは、いよいよ値上げの極意についてご説明します。

値上げの極意は、作品価値とブランド価値を明確にする、ということです。
作家自身が作品の価値を十分に理解しているからこそ、自然で適正な値上げが可能になります。

では、作品価値とブランド価値を、どのように明確にすればよいかを具体的にご説明しましょう。

自分のつくる作品の価値を確認する

値上げが必要だからといって、何も変わらない状態で作品価格だけ千円から一万円に値上げするなんて、ちょっと無謀に感じます。

そこでやっておくべきなのが、自分の作品の価値が何なのか、お客様にどのような価値を与えているのか、ということを深堀りしておくことです。

客観的な視点で自分の作品に向き合い、誰よりもその価値を自分の中に落とし込むことは、本業作家にとってとても重要です。

改めて、作品を通してお客様にどのような価値を提供しているか、お客様や、あるいは第三者視点になって考えてみましょう。

以下を参考に、紙に書き出してみるのがおすすめです。

作品がお客様に提供している価値とは?

作品の提供価値とは、つまり『あなたの作品を通して、お客様にどのような面で喜んでいただくか』ということ。
例えばこのような種類があります。

・作品の品質や性能、使いやすさなどによる喜び

例 (食器)軽くて割れにくい。

・デザインや作品イメージなどによる喜び

例 (カーテン)好みに合ったデザインで部屋の雰囲気がすてきになる。

・使用した実感や作品を通した体験などによる喜び

 (スカート)質感や履き心地が良い。履いているとお姫様気分。

・作品を通した自己表現や社会実現による喜び

 世界に一つだけのイヤリングで自分の個性を表現。社会の中でよりいっそう自分らしく生きる。

こんなふうに、自分の作品がお客様にどのように役立つのか、様々な視点からできるだけたくさん挙げてみましょう。

作家、ブランドとしての価値を確認する

作品の価値について確認したら、今度は作家として、ブランドとしての価値について今一度考えてみましょう。

作品そのものだけではなく、作家やブランドを通して提供できる価値もあります。

ブランドとしての価値を強く認識することで、多くの人に価値を提供したい、そのためにこのブランドをどうしても成長させたい、より良い作品を作り続けたいという思いを強くすることに繋がります。

これは『ブランディング』に直結するお話になり、作品の価値を書き出す以上に難しいかもしれません。

ですが、ブランディングは作品の値上げに深く関係します。

以下の章を参考にして、ぜひ時間をとって考えてみてください。

 

作品の値上げに役立つブランディング

ブランディングとは?

簡単に言うと、お客様の心に蓄積される心理的な価値を、作品の付加価値とする仕掛け作り

ブランディングの入り口

目指す理想の未来像。
ブランドとしてどこに最大の価値を置くか。

これを定めることでブランドの方向性を決めていきます。
作家本人の人生における価値観、人生の中で何を重要視しているか、ということを反映させると、良いブランドを育てやすくなります。

そして、付加価値がつくことで値上げを行いやすくなります。

 

まず、【ブランドの始まり・想い・価値を置いているポイント】 を考えてみましょう。

 幼少期、母に編んでもらったポップなニットを着ているといつも周りに褒められた。
ニットを介して色んな人に話し掛けられ、自分にとって大切な人間関係が生まれるきっかけとなった。そのことが忘れられず、大人になって編み物を始めた。

手編みのニットは、私にとって個性を自由に表現できるツールであり、社会との繋がり。

 

それから、どんな人にどんな作品を提供し、どうなってもらいたいのか。そのことによって、どんな社会を望むかを明確にします。

【実現したい未来】

 自分らしく個性的に生きたい人に、ポップに主張できるニットを届けることで、ニットのある生活を思う存分楽しみ、のびのび生きやすくなってもらいたい。また、みんながもっと軽やかに自己表現できる世界を目指したい。

【お客様が受け取る喜び】

 どこにも売っていない個性的で自分らしいデザインのニットを身に着けることで、気分がワクワク。テンションが上がる。着ているだけで存在感が増し、注目されやすく人によく話しかけられる。同じ好みの友人ともつながりやすい。そういう生活がとても快適で幸せ

 

結果、他にはないその作家さんだけの世界観、ブランドとしての唯一無二の価値を持つことになります。

ここまでくると、ブランドとしての強み、どのようなイメージを届けたいか、具体的なお客様像まで、だいぶ想像しやすくなってきますね。

このようにして掘り下げたら、お客様に向けてわかりやすく言語化し、プロフィール欄に記載しましょう。

その内容は、ブランドストーリーとなってお客様の心に印象づけ、ブランドが届けようとする価値を受け取っていただきやすくなります。

なぜ自分はハンドメイド作家を目指したのだろう?
なぜこれを作ったのだろう?
自分は何を目指しているのだろう?

ということを熟考しながら、掘り下げてみてください。

言語化ができたとき、あなたの中の値上げの抵抗の原因が自然となくなっていると思います。

 

 

【適正な値上げの大切さ】永続的で健全なものづくりのために。

最後に、こんな話をしたいと思います。

本業作家になってから、買い物の仕方や考え方が変わったという話を時々耳にします。

モノを買う=その会社や人を応援するということ。

『その応援によって自分の仕事が支えられている』と考えると、作家自身、適当な安物買いができなくなります。

適当なお買い物をするくらいなら、その分を貯めて生き残ってもらいたい人や会社の商品に使おう、といった行動に変わります。

一つ一つに手間暇と愛情を注ぐものづくりをするというお仕事が今後も永続的に健全に続いていけるように、私たち自身が意識的でありたいものです。

 

値上げの際の実践的なコツについては、こちらの記事でご紹介していますので、よろしければお読みください。

私自身が約10年間の作家生活で試行錯誤しながらたどり着いた方法ですので、必見です。

ハンドメイド作品の値上げのタイミングと方法【いつ、いくら値上げすればいい?】 – ハンドメイド作家の田舎暮らし (monogatari.site)

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