作家の成長とともに移行する!【ハンドメイド販売サイトの選び方】

2023年3月5日

  

こんにちは。
ハンドメイド作家歴約10年になる白井です。
専業作家として活動していますが、駆け出しの頃から様々なハンドメイド販売サイトで試行錯誤しながら作品販売をしてきました。

突然ですが、皆さんは、minne、Creema、iichiなどのハンドメイド販売サイトを選ぶとき、どのように選んでいますか?

手数料や登録者数などを比較して決めがちではないでしょうか?

でも実は、販売サイトを選ぶ基準は、手数料が安いか、登録者数が多いか、ではありません。

いくら手数料が安くても、登録者数が多くても、自分の作品を気に入ってくださるお客様がいなければ意味がありませんし、いつまでも同じサイトで販売するのではなく、作家の成長とともにお引っ越しするのがおすすめです。

ですので、こちらの記事では、販売サイトの手数料や登録者数などの比較はしません。
どのような視点で販売サイトを選べばよいか、作家としてステージが変わったときにどのように移行すればよいか、ということについて私の視点からご紹介したいと思います。

ハンドメイドに特化した販売サイト3つ

代表的なハンドメイド販売サイトといえば、minne 、Creema、iichiの3つ。
どのサイトもハンドメイドに関心があるお客様が集まっているので、集客力のない初心者でも販売しやすいのですが、客層や雰囲気、サービスなどが異なります。

自分の作品やブランドと相性の良いサイトはどれですか?

minne

ハンドメイド販売サイトの中で一番の初心者向けスタンダード。

多くの初心者ハンドメイド作家の方が一番気軽に登録するサイトだと思います。

お客様も作り手も20代~30代前半の若い女性が多く、サイトの作りもキラキラした雰囲気があり、低価格帯の作品が中心です。

・YouTubeチャンネル
minneの作家活動アドバイザーさんが、作家の悩みに応えてくれるminne LAB(ミンネラボ)というYouTubeチャンネルは要チェックです。

minneに登録していなくても見れますし、たくさんの作家さんのお悩みを聞いて共感したりホッとしたり、勉強になったりする、初心者にとってかなり心強いチャンネルだと思いますので、まだ見ていない方はぜひ。

・ハンドメイドマーケット

また『minneのハンドメイドマーケット』という大規模なハンドメイドイベントを毎年開催しており、minne に登録している作家さんが出店できます。

お客さんとして遊びにいってみるだけでも、minne内の雰囲気が肌で感じ取れるのでおすすめです。

minneに向いている人

・初心者作家さん
・まだあまり自信がなくて、まずは低価格帯から始めてみようと思っている人
・20代から30代前半の女性をターゲットにしている人
・作品が千円から数千円程度の価格帯の人
・minneのハンドメイドマーケットに出店したい人

Crrema

日本最大級のハンドメイドマーケット。作り手のこだわりが詰まった作品に出会える。Creema

Creemaもまた、minneと同様に初心者でもスタートしやすいサイトです。
やはり若年層の女性が中心で価格帯も低めですが、minneよりやや落ち着いた雰囲気があり、男性の登録者も比較的多い印象があります。

・クラウドファンディング(Creema SPRINGS)

Creemaの大きな特徴のひとつは、クラウドファンディングができること。
『アトリエをつくりたい』『地域を活性化したい』『絵本を出版したい』『新作をつくりたい』『個展を開きたい』『保護猫団体に寄付したい』などのそれぞれの目的を持った作家さんが、Creemaのお客様に向けて支援を募ることができます。

ここで実際に夢を実現した作家さんも多いはず。

・ハンドメイドインジャパンフェス

Creemaにも、登録作家が出店できる大規模なイベントがあります。
minne のハンドメイドマーケットと近い雰囲気ながら、Creemaらしい活気が感じられます。

・海外販売できる

英語・中国語(繁体字・簡体字)・インドネシア語・タイ語・韓国語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語から言語を選択することができるので、海外のお客様もCreemaからお買い物することができます。

お客様のお問合せサポートなども対応してもらえるので、英語が苦手でも大丈夫。

(minneも海外販売可能なのですが、2023年3月現在では対応言語が英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語なので、クリーマのほうに軍配が上がります。)

Creemaに向いている人

・初心者作家さん
・20代から30代をターゲットにしている人
・作品が千円から数千円程度の価格帯の人
・クラウドファンディングを活用したい人
・まだ駆け出しだけど作家として大きく飛躍したい人
・海外販売も気軽に経験してみたい人

iichi

女性が多いのは共通していますが、こちらは年齢層が高めで、サイトもかなり本格派な雰囲気。

・高額なアート作品などもしっかり売れる

 
上記2サイトとの大きな違いは、プロの作家さん、本格的な工芸家の方が多く登録しており、高価格帯の作品が多く取引されている点です。

もともとminne やCreemaで販売していたものの、値上げをしてから売れなくなり、iichiに移行した作家さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

こう見ると、目立った特徴が少ないように思われるかもしれませんが、iichiには、まだ世の中にないような、本当に気に入るものを探しているお客様がたくさんいらっしゃいます。


そんな作品が見つかれば高額でも購入されるお客様が多いという点が、iichiならではだと思います。

iichiに向いている人

・本格的な高価格帯の作品を販売する人
・ターゲット層が30代後半以上の人
・アート作品を販売したい人

ハンドメイドに特化していないBASE or STORES

上でご紹介した3つのサイトはハンドメイド特化型ですが、BASEやSTORESはハンドメイドに特化していません。

つまり、ハンドメイド好きが集まっているサイトではありませんし、基本的に自分で集客しなければなりません。

初心者にはハードルが高いのですが、将来的に本業としてしっかりと作家活動していきたいと考えているなら、BASE STORES 、どちらかひとつは登録しておきましょう。

この二つ、それほど大きな違いはないように見えますが、私は今のところBASE一択。
なぜかというと、理由は集客力と使いやすさです。

月額無料で安心して使えますし、使える拡張機能が豊富で不自由しません。
もちろん、海外販売も対応しています。

開設実績No.1のネットショップであるということも、安心材料のひとつでしょう。

【BASEの強み】
私がBASE 一択である一番の理由は、2021年2月時点で累計800万ダウンロードを超える強力なショッピングアプリがあることです。
お客様は人気商品やアイテムやブランド名などをスマホで簡単に検索して気軽に購入することができるので、こういったネットショップにありがちな集客力の弱さがかなりカバーされていると感じます。

【STORESの魅力】
ちなみに、STORES に感じるメリットとしては、有料のスタンダードプランなら決済手数料が業界最低水準のため、ショップの規模が大きくなったときにコストを抑えられること。
はじめは無料のフリープランに設定しておいて、売上が大きくなったときにスタンダードプランに変更するのも賢い選択といえます。
また、無料テンプレートが48種類ある点も魅力的。
シンプルに『好みの無料テンプレートがあるかどうか』という基準でSTORESを選ぶ方もいらっしゃいます。


(BASEの無料テンプレートはSTORESと比較すると少ないのですが、有料テンプレートの種類はとても豊富。5000円から13200円ほどで購入できます。月額課金ではなく一回買い切り。)

 

結論!『初心者はminne+Creema』『慣れてきたらBASEも追加』『値上げを考え始めたらiichi+BASEに移行』

作家の成長段段階で、それまで利用していたハンドメイドサイトとの相性が合わなくなってきたりすることが多々あります。ハンドメイドサイトはそれぞれ雰囲気も客層も異なるため、作家の成長にあわせて、こんなふうに利用するのがおすすめです。

①『初心者はminne +Creema』

②『慣れてきたらBASE も追加』

③『値上げを考え始めたらiichi+BASEに移行』

①まずはminne+Creema

初心者作家さんや、数千円ほどで販売している作家さんは、まずはminneとCreemaに登録するのがおすすめ。

やや似た雰囲気の販売サイトではありますが客層は異なりますので、どちらか1つに登録するというよりは、2つとも登録しましょう。

自分の作品がどちらのサイトのお客様に合うかは、やってみなければわかりません。

また、お客様との出会いが増える分、単純に注文数も増えますし、時期によって注文数に波があるので『この時期はminneの方が売れたのに、今はCreemaのほうが売れるようになった』ということも意外に多く、収入のバランスをとるのにも都合がよいのです。

②慣れてきたらBASEも追加

作品販売に少し慣れてきたら、SNSをより強化して、同時にBASEをスタートしましょう。

minneやCreemaで購入してくれたお客様は、自分のブランドのファンというより、minneやCreemaありきのファンである可能性が高かったりします。

(minneやCreemaのギャラリーを閉店した途端にお客様でなくなってしまう場合が多いのです。)

ですから、ある程度作品販売に慣れてきた時点で、自分のブランドのファンを増やすように意識しておきます。

つまり、minneやCreemaのギャラリーでフォローしてくれるファンを増やすのではなく、自分のSNSのフォロワーを増やし、そのフォロワーがBASEのショップをフォローしてくれるような流れを作っていくのです。

SNSアカウントから直接BASEのショップをフォローしてくれるお客様は、純粋なあなたのブランドのお客様(=ファン)です。

そんなお客様を増やすために、ある程度作品が売れるようになったらBASEを開設し、将来の準備をしておきましょう。

(この時点で登録するショップは、minne、Creema、BASEの3つ。)

③値上げを考え始めたら、iichi+BASEに移行

さて、minne やCreemaで作家として何年か経験を積むと、値上げの必要性を感じるようになってきます。
ブランドの成熟期です。

minneやCreemaの中で大幅な値上げをすると、想像通り、客離れが起きます。

そこそこの値上げならば、一定数のお客様はついてきてくれますが、価格帯によっては限度があります。

限界がくる前に、余裕を持ってiichiに登録しておきましょう。

その頃になると、実力やオリジナリティが増し、minneやCreemaよりもiichiのほうが売れやすくなっている可能性もあります。

登録サイトが合計4つにも増えてしまいますが、iichiからのご注文が増える頃には、minne、Creemaからのご注文はほぼ途絶えているかもしれません。(そういう意味でも、バランスがとりやすいのです。)

そうなれば、minne、Creemaのギャラリーは閉店し、iichiとBASEに絞ります。

ハンドメイド作家を仕事にするなら、原価の3倍は間違い

iichiとの相性が合わなかった場合は?

作家さんによっては、iichiとも相性が合わなかった場合も考えられます。

値上げをしたからといって必ずしもiichiで売れるわけではありませんから、そのへんはご理解を。

ですが、値上げが適正であればご注文が急にぱったり止むことはないでしょうし、焦ることはありません。

iichiのお客様も、作家についてくれるお客様が100%ではありません。
iichiを信頼して購入している、iichiのお客様である場合が多いのです。

ですから、最終的には自分のネットショップ(BASE)ひとつで済むように育てることがひとまず一番の目標になります。

(私の周りの専業作家さんには、ハンドメイド特化型のサイトをすべて卒業していたり、もともとハンドメイドマーケットに登録していない作家さんもいらっしゃいます。

そんな作家さん方は、BASEなどのネットショップを軸にして、SNSでお客様と密につながって定期的に個展を開いたり、積極的に百貨店や委託店とお取引するなどして、それぞれに合った独自の道を進んでいます。)

委託販売先の決め方・選び方

●まとめ●目標は自分のブランドのファンになってもらうこと!

初心者作家さんにとって、ハンドメイド好きが集まるハンドメイド特化型のサイトはとても売りやすいマーケットです。

ですが、そこでのお客様はあくまでそのサイトの中のお客様。

何度も作品を購入していただいたとしても、あなたのギャラリーがそのサイトからなくなった途端、ご購入いただけなくなることもも珍しくありません。

でもせっかくあなたの作品を購入していただくのなら、本当にあなたとあなたの作品のファンになった方から購入してもらいたいと思いませんか?

そんなお客様ばかりに購入してもらえるようになった頃にはきっと、あなたの作品もブランドも、今よりもっと磨きがかかっているはずです。

初心者作家さんも、成熟期にいる作家さんも、将来の自分のブランドや作品をどんなふうに成長させたいか、どんなお客様と出会いたいかを想像して、ぜひワクワクしながら販売サイトを活用していきましょう。

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