ハンドメイド作家は掛け持ち・副業がおすすめな理由

本業ハンドメイド作家の白井です。
私はもともとサラリーマンでしたが、毎日同じ時間に同じ電車に乗って同じ場所に通うことが性に合わないタイプです。

そのうち作家のお仕事が軌道に乗り、本業作家として暮らせるようになりましたが、この生活を何年か続けるうちに、また新たなフェーズに入ってきたように感じています。

つまり、副業の魅力に気づいてしまったのです。

私の場合はハンドメイド作家が本業で、副業もほんの少し始めたところなのですが、他の仕事を本業にしてハンドメイドを副業にするのもありだと思います。

そんなわけで今回は、ハンドメイド作家一本で生活することの精神的なハードさ、副業の魅力(メリット)、ハンドメイド作家を安定的に続けるために必要なことについてまとめました。

ご参考になれば幸いです。

第1章: ハンドメイド作家の本業生活の難しさ

ハンドメイド作家のお仕事は確かに楽しい。好きなことをお仕事にできるなんて素敵なことです。

でもハンドメイド作家だけを仕事にするとなると、いくつもの困難にぶつかります。

1.1 ハンドメイドマーケットの競争激化

      

ハンドメイド作家というお仕事は最近副業として注目されていることもあり、参入する方は年々増えているのではないでしょうか。
国内最大のハンドメイドマーケットであるminne だけでも、現時点で作家数は80万人を超えています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003446.000000136.html

毎日のように続々と新米作家さんが生まれているわけですが、最近は、資金力もあり綿密な市場調査の上で誕生したのだろうと思えるような、はじめからハイクオリティなブランドが珍しくない印象です。

10年前は、そんなことはありませんでした。
ハンドメイド作家の数も少なく、作家だけで生活している人も今よりさらに少なかったはずです。
資金力もない素人同然の昔の私のような新米作家が、こつこつと時間を掛けて一つずつ作品を投稿していくという、もっと質素なマーケットでした。。

それが今ではクオリティの高いブランドが次々と登場し、直後から注目を浴び、急速に人気を獲得する、というケースが目立ちます。

お客様の見る目も肥えてきたので、年月が経つにつれて求められるクオリティーが上がってきているようにも感じます。

1.2 ハンドメイド作家は収入が不安定

ハンドメイド作家の収入は、基本的にはコントロールしづらいものです。

母の日やバレンタインデーなどの年間行事や季節、作家自身のコンディションなどなど様々な要因によって、収入が上がったり下がったりするので、なかなか安定しません。

低迷が続いたり、かと思えば急に慌ただしくなったり。
ある程度、予想できて準備や調整ができるのならよいのですが、まったく原因のわからないことも多いため、毎月のように売上目標を達成したかどうかを気にしてしまい、ストレスを溜めやすいのです。

1.3 作り続けること(創造性)へのプレッシャー

新しいものを生み出し続けることへのプレッシャーは常にあります。

気をつけていても、長年作家業をしていると動きがパターン化してきたり、作品の柔軟性がいつのまにか失われてしまうことがあるものです。

たとえ古参の作家だからといって、いつまでもお客様がついてきてくれるわけではありませんから、『いつも新作や企画を出し続けて興味を惹き続けなければ。忘れられないようにしなければ…』というプレッシャーもあります。

また、【1.1 マーケットの競争激化】にもつながりますが、多くの新ブランドの登場によって、自分の渾身の傑作と思っていたものが個性的に感じられなくなってきたり、あっという間に埋もれてしまう、なんてこともよくあります。

そんな状態が続くと自信を失い、一人で悶々とする時間が続き、負のループに陥って、ついには作家をやめてしまう方もいらっしゃいます。

第2章: ハンドメイド作家の掛け持ちや副業のメリット

第一章で書いたように、ハンドメイド作家を専業にすると収入面でもメンタル面でも安定させることが難しいのですが、ハンドメイド作家さんの中には私の他にも掛け持ちでお仕事をされている方が結構たくさんいらっしゃいます。

というのも、掛け持ちには専業にない大きなメリットがいくつもあるのです。

2.1 副業で安定した収入を確保する

1つ目の大きなメリットは、やっぱり収入面でしょう。

他に仕事を持てば、一定の収入が確保できるので、生活にも精神的にも余裕ができます。

例えば、『最低限の生活費だけは副業で稼いで、プラスアルファを作家業で稼ぐ』などと決めれば、稼がなくては、というプレッシャーから解放されますよね。

2.2 複数の収入源でリスク分散

仕事を掛け持ちしていれば、作家業が低迷している時期も困ることはありません。

また、コロナの時期などはお取引先が閉店するなどして急に売上が止まってしまった作家さんも多かったと思います。

今後もどのようなことが起こるかわかりませんので、収入源を複数作っておくと安心です。

2.3 新たな経験やスキルの獲得

作家業だけでは得られなかった知識や経験、スキルを得ることができるのも、副業の魅力です。

昔から興味のあった分野や、趣味の延長で選んでみたら、自分の新たな一面を発見できるかもしれません。

『体を鍛えたい』と思ってジムで働くとか、『実は農業に興味がある』ので農作業のアルバイトをするなんていかがでしょう。

第3章: 副業によるハンドメイド作家のお仕事への相乗効果

少し意外かもしれませんが、副業は、ハンドメイド作家のお仕事への相乗効果も期待できます。

3.1 副業の収入でハンドメイド作家活動へ投資する

ハンドメイド作家活動には、まとまった資金が必要な場面が時々あります。

例えば、

• 憧れていたギャラリーから誘ってもらった展示会の出展費用。
• 新しい機材を導入したいとき。
• 工房をつくりたいとき。などなど。

そんなときのために、副業で着実に資金を貯めておくことができます。

必要なときにしっかり投資できれば、チャンスを逃さずに済みますし、作家活動を発展させることにも繋がります。

3.2 副業から得たアイデアや技術をハンドメイド作家のお仕事に活用する

自分の作品制作に役立ちそうなお仕事を見つけて、その技術やアイディアを活かすことができれば、お金を稼ぎながら作家業にも役立ち、一石二鳥です。

例えば・・・

お花のアクセサリーを作っている作家さんがお花屋さんで働く場合を考えてみましょう~

様々な種類のお花を毎日観察し、お花に関する新たな知識も習得することができるので、少なからず作品のアイディアにつながりそうです。
また、ラッピングや多くの接客経験を積むことができるので、ハンドメイドイベントでの作品販売の際に必ず役立つはずです。

3.3 副業の人脈をハンドメイド作家の販路拡大に活かす

副業で出会った人を通して、販路を拡大できる可能性もあります。

こんな例も・・・

以前、アルバイト先の店長さんや美容室をやっているお客さんと仲良くなって、作品をお店や美容室で販売してもらえることになった、という話を聞いたことがあります。

従業員として働きながら親しくなった人に作品を販売してもらえることになるなんて、とても素敵ですよね。

人脈づくり、なんて言いますが、シンプルに好きな人とつながれば、自然とお仕事の機会に恵まれることもあります。

第4章: ハンドメイド作家として本業と副業を両立する方法

副業に多くのメリットがあるとは言え、『専業じゃないとどっちつかずになるのでは?』などと不安を持つ方もたくさんいらっしゃるかと思います。

どのようにしたら、うまく両立できるのでしょうか?

4.1 時間管理の重要性

ハンドメイド作家一本で仕事をしていると、昼夜逆転生活になりやすい傾向がありますが、まずは生活リズムを整えることが大切です。

本業も副業も無理のないように、一ヶ月、一週間、一日のうちのバランスのよい時間配分を決めておきます。

例えば・・・

・副業を平日朝7時から10時にあてて、お昼まで休憩、午後は13時から17時、20時から23時は作家のお仕事にあてる。土日は休み。
・副業は土曜日だけ8時間たっぷり働いて、日曜は休み。平日は24時までまるっと、でも自由度高く作家のお仕事にあてる。

などのように。

大口の納品などの締め切りがあるときも間に合うように、余裕を持ったスケジュール管理を行いましょう。

4.2 副業の選び方

時間的にも、疲労度の観点からも、両立しやすい副業を選ぶのがポイントです。

例えば『家から徒歩15分 / 平日の夜3〜4時間だけ / 事務作業』なら、通うのも楽チン。
短時間のデスク勤務なので疲れ過ぎず、勤務前に発送ななどを済ませることも可能です。

まとまった時間を確保したいなら、なるべく高給の土日勤務や早朝勤務などを選んで集中的に働いて、残りは作家業にあてるとしてもよいでしょう。

毎月シフト希望を出せるアルバイトなら、納品準備で忙しいときにスケジュールを調整することも可能なので、より続けやすくなります。

4.3 ワークライフバランスの確保

作家業と副業、複数のお仕事をしていると、休養や趣味などの時間をつい忘れがちになったり、おろそかになることがあります。

なぜかというと、作家業は好きなことが仕事になっているわけですし、副業は気分転換にもなるため、つい労働過多になりがちなのです。

複数のお仕事は想像以上に頭と体をフル回転させますので、充分な休養をとるように心がけましょう。

第5章: ハンドメイド作家を安定的に続けるためのポイント

副業は、日頃一人で孤独に作家活動をしている方にとっては刺激的で楽しい機会でもあります。

ただ、本業が疎かになっては本末転倒ですよね。

副業を続けながらも、作家のお仕事をできる限り安定させるように心がけたいものです。

5.1 プロモーションとマーケティングの重要性

作家にとって、プロモーション(販促活動)とマーケティング(売れる仕組み作り)は永遠の最重要課題。

基本と言われるポイントだけはしっかり押さえておきましょう。

『ハンドメイド作家のプロモーション、マーケティングの基本』

SNSの活用
・オンラインショップのSEO対策
・作品を魅力的に紹介する方法を探る
・イベントなどに積極的に参加
・他の作家さんとのコラボ

これらの基本を踏まえて自分にあったやり方を試しながら、ブランドの認知度の向上を図りましょう。

5.2 顧客のフォローアップとリピート率の向上

お客様と継続的にコミュニケーションを図ったり、次につながる行動をとることも大切です。

◎顧客のフォローアップとリピート率向上のためにやるべきこと

・手書きのメッセージでお客様へ感謝を伝える
・メルマガなどを活用し、新作や特典の情報を優先的にお知らせする
・購入後のアンケートやレビューから、作品やサービスの改善点、満足度を把握することで、お客様の満足度を向上させる
・リピーターを優遇する限定商品や特典をつくる
・贈り物として喜ばれるラッピングを行う

5.3 創造性の維持と向上への努力

副業をすれば、作家業に費やす時間は必然的に削られてしまうので、ハンドメイド作家としての創造性の維持と向上には、専業のとき以上に気を遣わなければなりません。

日常の観察、自然やアート鑑賞からインスピレーションを得たり、書籍や他のクリエイターとの交流の中から知識や経験を深めていきましょう。

定期的にオンラインのワークショップを活用して新しい素材や技術を取り入れることも大変有効です。
実際に、新しいテクニックやスタイルを試してみると、創造性が刺激され、今のあなたの作品の新たな方向性が見えてきたりします。

こちらは、いつもおすすめしているオンライン講座。多くの作家さんが講師をしていたりと、作家界隈ではかなり身近な存在となっているので、すでにご存じの方も多いかもしれませんね。

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また機会があれば、ぜひ作家仲間や専門家の方からあなたの作品への意見を聞いてみてください。
意見を受け入れて客観的に自分の作品と向き合うことで、創造性が向上し、作品がブラッシュアップされます。

第6章: ハンドメイド作家の経験からのアドバイス

私は、長年専業のハンドメイド作家を続けてきました。
専業であることに解放感や喜びを感じていた時期もありましたが、いざ副業を始めてみると、案外とても快適なことに気付きました。

ただ、副業ならなんでもいいというわけではありません。

生活の質を上げて、本業をより楽しくすることが目的だということを忘れないようにしたいと思っています。

6.1 掛け持ちや副業の選び方について

ハンドメイド作家と掛け持ちするなら、目的に合わせた副業を探すのがおすすめです。

気分転換を重視したいなら、興味のあるお仕事の中でもハンドメイドとはまったく違う分野のお仕事や、体を動かすお仕事がよいかもしれません。

作家業と離れた分野のお仕事例

建設現場、調理補助、事務員、カフェスタッフ、ホテル受付などなど

作家業にも活かせるお仕事がしたいなら、あなたのつくっている作品や活動と近い分野のお仕事を探してみるとよいでしょう。

作家業に近い分野のお仕事例

・ワークショップをされる方→子供の造形教室のアルバイト
・パンや動物などをモチーフにされている方→パン屋さんやペットショップ

6.2 ハンドメイド作家としての本業を大切にする姿勢

副業を行う上で特に気をつけたいのは、ハンドメイド作家として本業を大切にする姿勢です。

◎ 副業という新たな機会から刺激をもらうことでよりいっそう本業に集中し、作品のクオリティーや魅力を向上させるように、十分な時間とエネルギーを注ぐこと。

◎ 継続的な活動と品質の維持によって、お客様からの信頼を高めること。

◎ どこで働いていたとしても、そこでの経験を必ず本業のハンドメイド作家に活かすつもりでいること。

このような姿勢でいれば、将来ハンドメイド作家としてより大きなスケールで活動できる可能性がひろがるはずです。

6.3 成長と変化を楽しむ心構え

副業による自身の成長と変化を楽しむ気持ちも大切です。

別の分野の業務に携わることで新たに身に着ける知識や経験やスキルは、自身の視野をひろげてくれます。

ハンドメイド作家としてももちろん、人としての自己成長やキャリアの発展にも繋がります。

自身の能力や限界を知ることができる機会でもあります。

もしハンドメイド作家としての行き詰まりを感じることがあっても、副業に集中することで壁を乗り越えられることもあります。

結論: 掛け持ちや副業はハンドメイド作家にとって有益である

ハンドメイド作家としてエネルギーに満ちあふれているときは、専業でやりたい時期だと思います。
数年間は、すいすい壁を乗り越えて、楽しくやっていけるかもしれません。

ただ、これは個人差があるので一概には言えませんが、長年走り続けていると、エネルギーはだんだん枯渇してきます。
どこかで走れなくなり、立ち往生してしまうときがくるかもしれません。

そんなとき、作家以外のお仕事があって、収入源があって、仲間がいれば、生活もメンタルも安定させることができますし、視野が広がり、作家のお仕事も継続しやすくなります。

『ハンドメイド作家だけでは生活が不安。。』という方だけでなく、

『作家だけでも暮らしていけるけど、なんだか最近疲れてしまった

そんな方もぜひ、副業を検討してみてはいかがでしょう。

 

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